口内と皮膚の異常感覚、多汗症、不眠に悩む50代女性の症例
当院で施術を受けられて良くなられた方の症例です。
今回は口の中と皮膚の異常感覚、異常発汗、不眠の改善例です。
同じような症状でお悩みの方は参考にしていただければ幸いです。
○来院された方:50代女性
○主な症状:口の中の異常感覚 皮膚の異常感覚 多汗症 不眠 脳が常に働いている感覚
来院までの経緯
2024年の1月から口の中の異常感覚と皮膚の感覚異常を認めるようになりました。不眠の症状はそれ以前から元々お持ちでした。ご自身で、この症状はメンタルによるものだろうと感じ、内科や心療内科を受診しています。そこでは抗うつ剤と漢方薬、睡眠導入剤を処方されていました。しかし薬を飲んでも「ちょっとマシかな〜?」と思う程度で、改善することはありませんでした。そのお医者さんとは合わなかったようで、途中で通院をやめていました。そのような中、インターネットの検索で当院を見つけてご連絡をいただきました。
来院時のお悩み
○口の中の異常感覚
○皮膚の異常感覚
○多汗症(異常発汗)
○不眠(2時間に1回覚醒)
○脳が常に働いている感覚
○両足の冷え
口の異常感覚は、食べ物を食べる時に、空気を食べているように感じたり、生クリームなどもクリーミーさを感じることなく空気のようにスカッとした物を食べているように感じていました。そのため食事が全く楽しくなくなり、体重が5kg減少したそうです。また口の中は、常に唾液がネバネバした感じで、それが徐々に硬くなり舌で潰して飲み込んでしまい、それがゲップとなって出てきてしまうという症状をお持ちでした。お仕事ではお話をする機会が多く、口のネバネバや違和感でとても喋りにくくストレスを感じていました。
皮膚の異常感覚は、タオルなどを使っても以前とは違う感じがしたり、リップクリームを塗っても塗った感覚がないなど、口だけでなく皮膚の異常感覚も抱えておられました。また、脳が常にフル回転で働いている感覚があり休まらない、両足の冷えも常に感じている状態でした。多汗症の症状もあり、人前で汗がダラダラしてしまうのが嫌で、強いストレスを感じていました。様々な症状でお悩みで、気持ちも常に落ち込んで、毎日憂鬱な気持ちで過ごされていました
来院時のご本人の希望は
○症状は完全になくならなくてもいいが、日常生活に支障がなくなって欲しい
○憂鬱な気持ちがなくなって欲しい
とのことでした。
来院時の体の状態
初回来院時の体のバランスは崩れ、骨盤は右側が後方へ捻れている状態でした。また頭から首、左肩にかけて緊張を強く認めていました。
施術経過
初回の施術では、偏った組織のバランスを均質に戻るように進めていきました。ニュートラルな状態になるように、体の組織が行きたがる方向へ、楽な方向へと施術を進めていきました。
ご本人からは、「お腹のこの辺からゾワワ〜って上がってきたり、どこ触っているのかわからなくなったり、起きているような寝ているような感じを行ったり来たり・・・」といったようなご感想を話してくださいました。
当院の施術を受けられている患者さんは、8割以上の方が施術中に眠っていますが、患者さんご本人は「起きているのか寝ているのかよくわからない状態」という風に感じられる方も多いようです。
次回は5日後に来院していただく予定で終了しました。
2回目来院時には「足の冷えがなくなった。以前はレッグウォーマーをはいていたが、その後くつしたも脱ぐようになった。ここ2、3日眠りが深くなり眠剤減らそうかと思っている。口の感じは常にではなくなったが、夕食時や夜お酒を飲むと違和感を感じる」と感想をいただきました。以前は朝からずっと口の中のネバつきを感じていたようですが、常にではなくなり、あっても程度は軽減していました。施術後には「頭触られている間、胸のあたりが・・・だんだん呼吸が楽になる感じだった」と話されていました。
次回は1週間後の再診予定としました。
3回目来院時も引き続き足の冷えはなくなっています。それ以外にも「食いしばりグセが無くなった」とのこと。以前は口の中にコブができるくらいだったそうですが、それも改善しています。口の感覚は前回とは変化ありませんが、以前よりは良くなっていることを実感できています。唾液のネバつきは減り、感覚的にはサラサラになったようです。ですが口の症状は、食事や飲酒をした際には異常感覚がまだあるようです。以前よりイラつきは減っています。
次回1週間後に再診予定としました。
4回目来院時には足の冷えは全く無くなっています。口の違和感は日中の頻度は低下していますが、体調によって食後や飲酒の際には変わらず認めていました。メンタル面では、以前よりカリカリすることが無くなり、落ち込みも以前ほどではなく、「あっても小波程度」と話されるまでに落ち着いてきました。睡眠も比較的安定してきており、以前は2時間ごとに目が覚めていましたが、今は一晩で1回くらいに減少しています。
相談を受けていなかった内容で、以前まで顎がずれている感覚があり、写真で見ても右へずれているのが気になっていたそうですが、施術中に「それが治されている感覚があった」と話されていました。施術後には、「今ある症状はほとんど口のみ」と話され、色々あった症状は随分落ち着いてきました。
少しずつ施術間隔を空けるようにして、次回は10日後に再診予定としました。
5回目来院時は、昔あった嫌なことを思い出して落ち込んでいました。夜は眠れていますが、日中にそんなこともあってどんよりしていると話されました。他は悪くもなく、口の異常感覚も頻度は低下しています。
次回は2週間後の再診予定としました。
6回目来院時、食後には口の違和感が続いていました。それ以外は概ね良好で、イライラも減り、食いしばりが無くなって緩んでいるのを実感されていました。その他に、今まで血圧が140mmHgだったのが、今は110〜120mmHgまで下がっていました。「最近はいつ測っても110〜120になった」と話され、血圧も下がり安定しています。
2週間ごとの施術を継続していきました。
口の違和感は、以前より程度は軽くなっていますが、完全には無くなっていません。以前まで食物アレルギーで桃・りんご・いちじくを食べると喉がいがらっぽくなっていましたが、好きなのでアレルギーの薬を飲んでから食べていたそうです。ですが、「今回薬を飲み忘れてもアレルギーの症状は出ず、大丈夫だった」と話してくださいました。血圧も低めの110mmHgで安定し、汗もなくなって暮らしやすくなっています。「特に寝汗は本当に減った。以前は胸や背中の滴がわかるほどだったけど」と話してくださいました。睡眠も、途中で目が覚めることは大幅に減り、「1回も起きないか、起きても早朝の6時」などで、来院前より「全てにおいてだいぶ楽になった」と、日常生活も随分暮らしやすくなっています。
施術頻度についてご本人とお話ししたところ、2週間程度で不調が戻ってきそうな気がするのでこのペースで続けていきたいと話され、2週間に1回の施術を現在も続けています。
院長より
このような症状は、内科や医療機関を受診してもなかなか理解してもらえず、心療内科などへ紹介されるケースが多いように思います。この方も内科・心療内科を受診しましたが、なかなか改善が見られず、当院へ来院していただきました。口の違和感は完全に消失したわけではありませんが、以前は常に症状を抱えていた状態から、現在は食後に感じる程度で、その頻度も少なくなっています。口以外の症状はほとんど解消し、ご本人は当初期待していなかった顎のズレの改善や、血圧も高血圧と診断される140から、110台にまで低下し、良い状態を保っています。来院前はかなり生きづらかっただろうと思いますが、ご本人が「全てにおいて楽になった」と実感していただけるまでに改善して本当に良かったと思います。
オステオパシーの施術では、ご本人も施術者も、期待していなかったような良い結果が出ることがあります。今回のように、病院で相談してもなかなか理解してもらえないような様々な症状に対しても、お力になれる場合が多くあります。同じような症状や、自律神経失調症といわれるような、人になかなか理解されにくい症状でお困りの方の参考になれば幸いです。
自律神経失調症について書いたページも参考にしてください。