同じ股関節痛でも、症状の経過は個人差があり、お体の状態や年齢によっても異なります。ですが大まかな目安がないと不安だと思いますので、一例として当院の施術計画モデルをご紹介します。

まずは6回の施術をお受けください

股関節痛の原因は、日々の積み重ねによって起こります。その積み重なった原因を一回の施術で全て取り除くことはできません。股関節痛としての症状が起きるまでには必ずプロセスがあり、その積み重なったプロセスをさかのぼって取り除いていくように施術を進めていきます。また施術を開始して間もない頃は、体が元に戻ろうとする力が働くため、体が安定した状態になるまでには、最低でも６回の施術が必要です。概ね６回から９回の施術で、大きくお体の変化を実感していただける方が多いです。

股関節痛で病院へ行くと、まずレントゲン検査が行われます。痛みがあっても特に異常は指摘されない場合もあれば、骨の状態を見て、変形性股関節症や臼蓋形成不全、インピンジメント症候群など診断名がつく場合もあります。軟骨がすり減って関節の隙間が狭くなったり、股関節のかぶりが浅いことが痛みの原因とされています。そして病態が進行して、変形が強くなり、痛みも耐え難い時期になると手術が検討されます。リハビリではストレッチや筋力訓練が中心になります。

しかし股関節痛の原因は、関節だけにある訳ではありません。骨盤や背骨の捻れ、筋肉や靭帯の問題など多岐に渡ります。特に女性では子宮や卵巣などとつながる子宮広間膜や子宮仙骨靭帯など骨盤隔膜といわれる筋膜が硬くなり、股関節痛の原因となることが多くあります。それらは病院や整形外科では注目されることはまずありません。

でもその問題を解決しない限り痛みは良くなりません。そのため、病院でレントゲン検査やMRI検査をして、特に異常がないとされても、痛みが続いてしまいます。また、手術を検討していた方でも、原因は骨と関節だけではないので、痛みが軽減して手術を回避できる可能性も十分にあります。

さらに筋膜を引っ張る原因として、ストレスや過去のトラウマなどの精神心理問題や、エネルギー領域に原因がある場合もあります。

このように、股関節痛といっても、全身が関連して起こります。そのため、やはり全身を見て、全体にアプローチしなければ股関節の痛みを改善することはできません。当院ではオステオパシー の施術でからだ全体を見て、ホリスティックにアプローチするので、辛い股関節痛も改善することができます。

股関節痛の痛みの程度はさまざまですが、まだ我慢できるから大丈夫と思って放置すると、だんだん痛みが強くなり、やがて歩くのが困難になる場合があります。

股関節痛の悪化

最初は少し痛む程度でも、放置することで痛みがだんだん強くなってくる場合があります。股関節痛の原因を取り除かない限り痛みは続きます。さらにその状態は股関節にとってバランスが悪いため、軟骨のすり減りや関節の変形が進みやすくなります。それがさらに痛みを助長して痛みの悪循環になってしまいます。

痛みによる筋力の低下

股関節に痛みがあると、痛いので動くのが億劫になり、どうしても活動量が低下してしまいます。痛くて歩けなくなったら手術をしようと考えていたとしても、その頃には筋力が落ちてしまい、手術後も筋力低下により歩行が困難になります。また活動量の低下によって、ロコモティブシンドロームによる転倒リスクの増加、骨粗しょう症、認知症など、日常生活が制限されて、介護や支援が必要になる可能性が高くなります。そうなる前に痛みをしっかり取り除いて、体力や筋力を落とさないようにすることが必要です。

痛みが変わらない治療を続ける

病院では痛みの原因の一つとして、筋力の低下を指摘される場合があります。リハビリでは筋力訓練を指導されます。股関節周囲の筋肉を鍛えることで股関節を安定させ、負担を軽減させることを目的としています。でも筋力低下が痛みの原因ではない場合、いくら筋力を強化しても痛みは改善しません。特に女性では、子宮や卵巣などを覆う子宮広間膜や、子宮仙骨靭帯、子宮円索など骨盤内の筋膜が硬くなることが痛みの原因となります。それらの筋膜の問題を解消することが痛みの解決につながります。筋力は大切ですが、この場合には筋力訓練は痛みの解決にはなりません。

このように痛みを良くするするためには、関節や筋肉だけに注目するのではなく、全身を見て根本原因の解消が必要です。日常生活に制限なく最後まで健康な人生を送れるよう、痛みが悪化する前に、早めに股関節痛を解決しましょう。