同じ症状でも腰痛の経過は個人差があり、お体の状態や年齢によっても異なります。ですが大まかな目安がないと不安だと思いますので、一例として当院の施術計画モデルをご紹介します。

まずは6回の施術をお受けください

腰痛の原因は、日々の積み重ねによって起こります。その積み重なった原因を一回の施術で全て取り除くことはできません。腰痛としての症状が起きるまでには必ずプロセスがあり、その積み重なったプロセスをさかのぼって取り除いていくように施術を進めていきます。また施術を開始して間もない頃は、体が元に戻ろうとする力が働くため、体が安定した状態になるまでには、最低でも６回の施術が必要です。
概ね６回から９回の施術で、大きくお体の変化を実感していただける方が多いです。

腰痛の原因は千差万別で、人によってそれぞれ原因が異なります。ですが多くの方が共通の問題点として抱えているのは後腹膜の硬さです。

後腹膜は腎臓、十二指腸、膵臓、大腸の一部などの臓器を包んでおり、背骨の前側に付着しています。そのため後腹膜が硬くなることで、腰椎に引っ張る力が加わり、椎間板や椎間関節に負担がかかって痛みの原因となります。オステオパシーでは内臓にアプローチするテクニックや、体の中から良くしていく方法を用いるので、その問題を解消することができます。

問題となるのは、引っ張る力がどこから来るのかです。体の中は膜組織を介して全身繋がっているので、硬くなっている場所は後腹膜でも、実際の引っ張る力は離れたところにある場合も多くあります。そのため、やはり全身を見てアプローチしなければ腰痛は改善されません。

痛みを放置する

慢性的に腰痛を抱えている方は、痛みを脳で知覚することで交感神経が興奮し、筋肉が硬く緊張します。同時に血管も収縮し、局所の血流が悪くなってしまいます。それが組織の酸素不足となり、代謝がうまくいかず、組織が障害されてしまいます。障害された組織からは発痛物質が放出され、これがさらに痛みを誘発し、痛みの悪循環となってしまいます。

だから痛みは放置せず、痛みの悪循環のサイクルに入る前に、なるべく早く対処することが重要です。特に対症療法などの一時しのぎではなく、痛みの元となっている根本原因を取り除くことが大切です。

痛み止めを飲み続ける

腰痛が慢性的になっている方の中には、痛み止めの服用を長く続けている方がいます。痛み止めは「急性痛」の時には非常に有効ですが、慢性腰痛の場合は注意が必要です。

慢性腰痛は、血流を良くすることが回復につながりますが、痛み止めは血流を悪化させてしまいます。慢性的に血液循環が悪い状態が続くと、それによって痛みの増強が起こってしまいます。血流が悪く、組織が障害され、そしてやはり痛みの悪循環へと入ってしまいます。他にも薬の使いすぎによって、頭痛や胃痛などの胃腸障害、腎臓の障害、肝臓の障害など副作用が起きる可能性もあります。

あまり効果を感じていないのに、漫然と痛み止めを飲み続けるのは逆効果になる場合もあります。やはりお薬などの対症療法ではなく、痛みの根本原因の除去が大切です。