自律神経失調症はさまざまな病態があります。症状の経過は個人差があり、お体の状態や年齢によっても異なります。ですが大まかな目安がないと不安だと思いますので、一例として当院の施術計画モデルをご紹介します。

まずは6回の施術をお受けください

自律神経失調症を引き起こす原因は、日々の積み重ねによって起こります。その積み重なった原因を一回の施術で全て取り除くことはできません。自律神経の乱れにより症状が起きるまでには必ずプロセスがあり、その積み重なったプロセスをさかのぼって取り除いていくように施術を進めていきます。

また施術を開始して間もない頃は、体が元に戻ろうとする力が働くため、体が安定した状態になるまでには、最低でも６回の施術が必要です。概ね６回から９回の施術で、大きくお体の変化を実感していただける方が多いです。自律神経失調症と言われていても、うつ病も併発している場合はそこからさらに施術の継続が必要です。

自律神経失調症は、疲れが取れなかったり、疲れているのに寝付けない、息苦しさや動悸、頭痛、めまい、肩こり、不安、イライラ、体のほてり・冷えなどさまざまな症状があります。病院ではそれぞれの症状に対して検査が行われます。頭痛があれば頭の検査、動悸があれば心臓の検査、息苦しさがあれば肺の検査が行われます。その結果異常が見つからなければ自律神経失調症と診断されます。軽度であれば、対症療法で症状を抑えるためのお薬で良くなる場合もありますが、原因に対してアプローチしているわけではないため、効果的ではない場合もあります。

自律神経失調症の原因は、ストレスや女性ホルモンの影響、生活リズムの乱れなどさまざまですが、原因の一つとして、身体的な構造の機能障害があります。
自律神経のうち、交感神経は背骨の横から左右に分かれ、副交感神経は頭と骨盤部から出て内臓に分布しています。そのため頭蓋骨や背骨・骨盤が歪んで神経の出口が狭くなると正常な機能を果たせなくなります。脊柱・骨盤の歪みは内臓を包む筋膜からくることも多いため、内臓へもアプローチして身体的な機能を正常化していく必要があります。体の機能障害が改善することで、本来の力を発揮できていなかった自律神経が正常化します。

精神的・肉体的なストレスも自律神経の乱れの原因となりますが、体の状態をよくすることで自律神経の働きが正常化し、体がさまざまなストレスにも耐えられる状態にしていきます。そうすることで症状も良くなっていきます。日常で受けるストレスは無くなりませんが、機能が向上することでキャパシティが増えるように、交感神経と副交感神経が両方とも正常に働くことができるように体の状態を整えていきます。

当院ではオステオパシーの施術でからだ全体を見て、ホリスティックにアプローチするので、辛い自律神経失調症も改善することができます。

自律神経の乱れを放置すると、症状が悪化したり、うつ病やパニック障害などを併発する恐れがあります。特に女性はホルモンの変動により自律神経のバランスに影響しやすく、生理前や妊娠中などのホルモンの変動が激しい時期に症状が増悪することがあります。

そのため女性は特に、自律神経に影響を与えやすい骨盤内の状態も良くしておくことが大切です。子宮や卵巣を包む子宮広間膜など骨盤内の靭帯が硬くなることで位置異常を起こし、循環が悪くなり機能の低下を引き起こします。それらの問題を解消することで、PMSや月経痛が良くなるとともに、自律神経への影響も低減することができます。

さまざまな要素が重なって悪化する前に、体を良い状態に整えていくことが大切です。そして体を良い状態に保つことで、自律神経が乱れにくく、休めば自然に治る体へと変化していきます。